コロナ禍の中、海外出店を進めた北陸の飲食店が健闘している。今年６月に米国に進出したチャンピオンカレー（野々市市）は持ち帰り商品の売れ行きがよく、回転すし「金沢まいもん寿司」は７月、台湾に出店し、空席待ちの列ができる人気ぶりとなっている。新型コロナで飲食業界の経営環境は厳しいが、両社は新市場獲得の好機と、さらなる海外での展開を計画している。
チャンピオンカレーは６月に米カリフォルニア州に海外１号店を出し、８月１５日には同州に２号店を開いた。
同州は新型コロナの感染対策として７月１日から、飲食店の店内飲食を原則禁止とし、営業許可は持ち帰りと店外に設けた席でのサービスのみに限定している。同社によると、営業形態を変えなかった店は休業を余儀なくされている。
米国では食事の配達サービス「ウーバーイーツ」などの利用が盛んで、同社は複数のアプリと提携し、売り上げを伸ばしている。南恵太社長は「営業している飲食店に休業している店の顧客が流入している。想定以上の売り上げだ」と話した。
同社によると、現在３店舗ほど、新規出店の打診がある。出店以外にも、他の飲食店から売り上げを増やすため、持ち帰りのカレーを提供させてくれないかと相談があるという。
「金沢まいもん寿司」を展開するエムアンドケイ（金沢市）は７月に台湾・台北市の商業施設「ＳＯＧＯ台北忠孝館」内に「金澤美味壽司」を開いた。
台湾では新型コロナの感染者数が少なく、飲食店は通常通りに営業している。店舗スタッフの休みがなかなか確保できないほど繁忙で、同社は好調の理由を「親日家が多く、和食への期待が高かった。他の日本企業がコロナで新規出店をためらった分、需要が取り込めた」とみている。
新店の好調を受け、増員のために社員を台湾に向かわせると決めたが、台湾に渡航する場合、ＰＣＲ検査を受けて陰性証明を取得し、１４日間、ホテルなどで隔離されなければならない。手続きが煩雑で、コストも通常よりかかる見通しという。
同社は台湾で１０店を目標としており、木下孝治社長は「今は信用を築く大事な時期。コストはかかっても、質のいい商品とサービスを提供したい」と語った。
北國新聞社
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August 21, 2020 at 11:02PM
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