政府は北海道、埼玉、千葉、東京、神奈川の5都道県で続く新型コロナウイルスの緊急事態宣言について、新規感染者が減少傾向であることから、今月末の期限を待たず解除する方針を固めた。これにより全都道府県での解除が完了する。開催できるイベントの規模については、2~3週間ごとに段階的に拡大する方向で調整している。
複数の政府関係者が明らかにした。このまま感染状況に急激な変化が起きなければ、25日の諮問委員会に5都道県の解除を諮る。諮問委の承認が得られれば、国会に報告し、政府対策本部で正式決定する。安倍晋三首相が記者会見して詳細を説明する。
東京、北海道の24日の新規感染者はそれぞれ14人、15人と増加に転じたが、西村康稔経済再生相は同日の記者会見で「減少傾向にあることには変わりがない」と述べた。
政府は感染状況や医療提供体制などを踏まえ、総合的に解除を判断するとしている。目安の一つとして「直近1週間の新規感染者数の累計が人口10万人あたり0・5人程度以下」を挙げている。
朝日新聞のまとめ(18~24日)では、東京は0・36。一方、北海道と神奈川はそれぞれ0・76、0・70と目安を超えたが、官邸幹部は「感染経路不明はごく少数」と語り、現状では感染者の感染経路がおおむね追えているとして、解除の判断に影響はないとの認識を示した。
政府は、全都道府県での宣言が解除された場合に備え、社会、経済活動を拡大するための新たな指針を策定している。専門家の意見を聞いた上で基本的対処方針などに盛り込み、25日の諮問委に諮る考えだ。
すでに宣言が解除された地域では屋内100人以下、屋外200人以下でのイベント開催を可能としているが、全国解除後は2~3週間ごとの経過期間を挟みながら順次拡大する方向。ただし、1万人以上が集まると、入退場時や売店などで密集の状況が生まれる懸念があるとして、当面は数千人規模までとするなどの案が出ている。プロスポーツの試合はしばらくの間、無観客での開催を求めていく。
都道府県境をまたぐ移動については、まずは14日に宣言が先行解除された39県間について、6月から段階的に自粛要請を解除する。京都、大阪、兵庫の近畿3府県や首都圏などは段階的に緩和する。
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