はしゃぎ声をあげる子どもや、店内の椅子でくつろぐ人たち。一見、おもちゃ店のようにも見える家具店が、福岡県久留米市通町の昭和通りにある。約40年、3代にわたって続く老舗店「タカムラ家具」だ。2代目で会長の梶原潔さん(78)は「買わなくてもいいんです。遊びに来てください」と来店者に声を掛ける。
扉を開けて店内に入ると、無理なく正しい姿勢で座れる疲れにくい椅子、何十通りもの組み合わせで遊べる積み木など、ユニークな商品が並んでいる。
梶原さんが先代の宗雄さんから店を継いだのは約30年前。店を任されてからは「室内での生活をより豊かにしてもらいたい」と、スリッパなど家具以外の商品も置くようになった。
店内におもちゃが姿を現したのは、23年前に孫が生まれてから。幼児が口に入れても安全で、長く遊べるおもちゃを探すうちに、欧州製の木のおもちゃと出合った。ドイツやスイスまで足を運び、おもちゃが作られる工程を見て、魅力のとりこになった。それ以来、モビールや鉄琴など、さまざまなおもちゃを集めて店に展示し、誰もが遊べるスペースを作った。
中でも人気なのは、独特の形をしたカラフルな積み木。毎日、代わる代わる多くの子どもたちに遊ばれて20年超、今でも現役だ。
そんな店に10年ほど前から家具メンテナンスの相談が舞い込むようになった。塗装の剥がれ、ソファのへたりなど、お気に入りの家具の修理をしたくても、買った店が廃業してしまった人たちが主な相談主だ。昔は市内にも高級家具店が複数あったが、大型量販店が増えてからは、1店また1店と消えていき、今では随分と少なくなった。
大切に使えば子や孫にも譲ることができる高級品でも、使ううちに不調は起きる。店を続けてアフターケアすることも家具店の責任だと改めて感じている。
梶原さんは「長く使うことで愛着が生まれる。愛着のあるものは大切に扱う。大人は家具を通して、子どもはおもちゃを通して、物を大切にする心を育んでもらいたい」と話す。
そうやって長い時間を一緒に過ごすことになるものだからこそ、見て触って購入を決められるようにと、一つ30万円以上する椅子なども、おもちゃ同様、自由に触れるようにしている。
梶原さんは帰る客の背中に優しく声を掛ける。「また遊びにいらっしゃい」 (玉置采也加)
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September 27, 2020 at 09:00AM
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おもちゃで育む「物を大切にする心」老舗家具店2代目の思い - 西日本新聞
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